ある求職者支援訓練のディープラーニング案件で思うこと
1.ある求職者支援訓練の募集内容
現在募集のかかっている求職者支援訓練で、ディープラーニングに焦点を当てているものを見つけましたが、突っ込みどころ満載なんで記事にしてみました。
学ぶ内容は以下の通りです。
①言語
②目標
・ディープラーニングを用いたスマホアプリ開発、WEBアプリ開発
③期間
・五か月
④対象者の条件
・キーボードの操作ができてシステム開発に熱意のある方
2.気づいた点
①Deep LearningにJavaは必要ない。
ご存じの通り、機械学習や深層学習(Deep Learning)にJavaを用いることはほとんどありません。五か月で機械学習・深層学習をマスターしたいと考えているのにJavaは不要です。
これはスマホのネイティブアプリ開発の能力を身につけさせて、Javaで就職させたいという保険でしょう。
これではJavaもDeep Learningもどっちつかずで半端になるでしょう。
②その辺のハローワーク利用者を集めても、ディープラーニングは身につかないはず。
ご存じの通り、これらのものは大学で情報学や数学等を学んだ人がやるような仕事です。興味あるとかいう程度では無理です。少なくとも、既にバックエンドのエンジニアをしているような方でないと五か月で身に着けることは無理でしょう。
実際、某スクールでは90万円の受講料と一年間を費やして機械学習や深層学習系の仕事に就職します。それをハローワークの訓練校ごときで成し遂げられるわけがありません。しかも五か月で。
③C++は難しいので挫折率高い。
私は手を付けたことないのでわかりませんが、C言語並に難しいと聞きます。これで何をさせたいのかわかりません。
以上みてきたように、キーボード操作ができる程度の条件で人を集めて、これらの技術を身につけられるわけがありません。
3.雇用保険適用就職率
過去にこの訓練校が実施したコースの修了生が、訓練終了後に就職できた割合です。これは雇用保険が適用できる範囲ならアルバイトも含まれてしまいます。
なお、募集定員は8名です。そもそも、何人入校して何人卒業したのかも不明だし、何人にアンケート取ったのかも不明です。
:平成29年度 -、平成30年度 66%、平成31年度 28%
思った通り、そんなに就職できていません。平成30年度は高い就職率ですが、そもそもサンプル数少ないかもしれません。平成31年度はすごく低いけど、こっちの方がサンプル数多いかもしれません。
4.まとめ
恐らく、この訓練校はディープラーニングで受講者を釣って、Javaで就職させたいのでしょう。このディープラーニングは本当に初歩的な画像認識とか音声認識とかでしょう。
このようなミーハーな訓練校を選んではだめです。着実に教える能力のあるところを選びましょう。