ハローワーク経由のプログラミングスクールの問題点
求職者支援訓練の特徴をみてみます。
1.五か月から六か月の期間で組まれている。
2.初心者をターゲットにしていて、ある程度できる人は時間が無駄になる。
3.底辺に合わせた授業の進度になる。
4.本格的なプログラミングを学べるスクールがほとんどない。
5.一回でも遅刻すると給付金10万円がもらえなくなる。
6.改善策の提言
1.五か月から六か月の期間で組まれている。
この制度を利用できるのは人生で実質一度限りです。実際には、給付金をもらって通えるのは10年に一度ということになっていて、給付金もらわないで通う場合でも一年間空白をつくらないと次に受けることができません。
これは何を意味するかというと、例えば、初級レベルを独学で終えた人が中級から始めるという選択肢がないということです。
どのスキルレベルの人もHTML、CSS、JavaScriptの初歩から始めなければなりません。ある程度独学した人にとっては数か月は退屈です。
2.初心者をターゲットにしていて、ある程度できる人は時間が無駄になる。
上記のものと被りますが、必ずHTML、CSS、JavaScriptの初歩から始めなければならないため、時間がむだです。
3.底辺に合わせた授業の進度になる。
これも上記と被りますが、相当進度は遅いです。予習などしようものなら相当授業が退屈すぎることは間違いありません。
受験勉強でいうと、偏差値35くらいの生徒に授業をしているようなものです。これは、就職率を少しでも上げるためには仕方ないのでしょう。
約半年で学べる内容は、プロゲート、PAIZAラーニング、UDEMYと大差ないと思ってください。
4.本格的なプログラミングを学べるスクールがほとんどない。
プログラミング言語ではJavaが一番多く、その他はほとんどWEBデザイナー(フロントエンドエンジニア)養成コースです。
例えば、Ruby on Railsを教える訓練校はありません。Pythonを教える訓練校も増えましたが、Javaがメインで、Pythonがおまけだったりします。
大阪ではPHPをメインにした訓練校もありますが、全国的には皆無だと言っていいでしょう。
これからプログラミングを学ぶ人がJavaを学ぶのはおススメできません。難易度が高いうえ、リモートワークなどの案件が少ないし、将来的にはシェアが減っていく運命だからです。ITゼネコンに派遣されて消費される可能性が高い言語でもあります。
5.一回でも遅刻すると給付金10万円がもらえなくなる。
台風で電車が遅れても、遅延証明が出されていなければお金がもらえません。ほとんど罰ゲームですね。
6.改善策の提言
①給付金を配らない。
②講座はレベル、言語等で分ける。
③期間は一か月単位にする。
④何回でも何講座でも受講可能にする。
⑤国がある程度講座の内容を指定し、需要のある言語の講座を複数開講する。
以上のようにすれば、ミスマッチが減るのではないでしょうか。もちろん民業圧迫ではありますが、現状ではコスパに合う民間のプログラミングスクールがほとんどないのが現状です。
某スクールは半年で80万円ほど授業料が掛かり、さらに紹介先企業からも年収の三割ほどもらうようです。
例えば、年収400万円見込める企業に紹介した場合、120万円ほど授業料の80万円とは別にスクールに入ります。つまり、半年で一人200万円ほど取れます。ですから、バンバンYoutubeに広告が出るくらい儲かります(笑)
まあ、年収400万円だったら授業料80万円くらい元採れると思いたいところですが、実際にはRubyでwebアプリ作ってきたのにJavaの案件やPHPの案件が多いようで、紹介する側もなりふり構っていられないようです。望まない企業に紹介されると今後の人生設計が崩れる可能性もあります。大げさですが。
はっきり言って、授業してくれなくても良いので、仲間ができて、黙々と作業できる教室みたいなのが欲しいです。私の目標の一つは、このような授業のない無料のプログラミングスクールを作ることです。
今後も様々な形態のプログラミングスクールについて書いていきたいと思います。