人生リセット研究室(シブヒロ日記)

キャリアチェンジを考える社会人、お金の無い大学生、大学進学を考える高校生へのメッセージを書きます。

ハローワークでプログラミングを習得できる?ハロートレーニングの闇

【結論】可能だが当たり外れが大きい。当たり校に入学すればお金ももらえてダブルでラッキー、ハズレ校ではお金欲しさに無駄に半年程度過ごす人が多い。

[目次]

1. 入学してはいけない訓練校の特徴

2. なぜダメな訓練校ばかりか?

3. 職業訓練の種類とおススメの人

4. まとめ

 

1. 入学してはいけない訓練校の特徴

①講師が全員高齢者

 私が昨年入学して三日でやめた訓練校は講師が全員定年退職された60代の方でした。ここはJavaC言語を教えるというところでした。この言語のチョイスについては後で述べます。変化の大きいIT業界において、過去の常識は無視した方が良いです。この方たちは感覚が30年古いです。関わらない方が良いでしょう。

 講師の年令の上限は40代、ギリギリ50代前半を目安にした方がいいでしょう。それ以上はたいてい老害です。

 私が入学したところは、時給1100円で講師募集していました。講師は授業が未計画、事前準備なしで、全く教える能力無い方でした。元ネットワーク技術者だったようですが、「授業計画してください」とお願いしたところ、「この業界は計画通りいかないことが多いから、細かい計画なんて必要ないんだよ。君は分かっていない。」と説教されました。

 

②講師がエンジニア未経験

 私が今年入学して五日でやめたところは、講師が60歳くらいで、実務でプログラミングをしたことがなく、独学で学んで講師をしていた人でした。

 もちろん、初級のレベルではエラーの解決など必要なく、やり方だけ憶えさせればよいのでしょうが、ある程度プログラミングの段階が深まってくると、絶対にエラーが出ます。この時にエンジニアではなく、マニュアルを覚えただけの人では解決策を伝授できません。講師がエンジニアだったかどうかを入学前に確認しましょう。

 

JavaC言語を教える学校

 大学で情報学等を学んだ人や理系の大学卒ならわかりますが、その辺にいる初学者の失業者に対してJavaとかCとか教えても無駄です。ITゼネコンに売るつもりでしょう。銀行系とか、みんながやりたがらないところに紹介料をピンハネされて紹介されます。

 IT業界で長く生きていくためにはJavaとCを学ぶのがよい、と言ってましたが、そもそも長くこの業界でやっていくことなど考えてないです。なるべく早く次のキャリアに移りたいだけです。その時その時で最善の技術を身に着け、すぐに方向転換できるような生き方が良いのかなと思います。こういうのをピボットなんて言いますね。

 危ない思想は、ある技術を身に着けたら一生それを磨き、それで食べていかなければならないという考え方です。半年、一年単位で結果の出る技術を学び、行けそうならそれで先行逃げ切り、飽きたらやめるというのがいいでしょう。最近そう思います。このことについても後日述べます。

 

④資格取得を売りにしている

 これも同じ学校なのですが、基本情報技術者試験の取得に向けたカリキュラムでした。プログラマーになるために知っていて損はないのですが、いきなり初学者が学ばない方がいいです。実務に対して無駄が多く、モチベーションが下がります。中堅になってから知識を再確認するなら良いでしょうが、資格取得を目的にしてはいけません。

 なお、私が入学したところは、午前試験の免除の待遇が受けられるそうですが、習得してもしなくても授業を受けさえすれば試験免除になるので、結局講師もやる気ありません。受ける側もやる気なくなります。

 

⑤やたらとテキストを買わせる

 この時代、まだ本で勉強させるのですか?何でもネットとかパソコンの画面で学習させてください。本はバージョン古いことが多く、そのままでは動かない場合も多いのです。

 

⑥パンフレットに誤字が多い・説明に意味不明な言葉がある

 これも前出の二つの学校ですが、パンフレットに”AIにパラメターを与える”と書いてあったり、”仮説”を”仮設”と誤植してたり、説明会で説明なしに”サーバサイドとか、”インタープリタ”とかいろいろ難しそうな単語をちりばめたりというのがありました。

 間違いなく、説明の下手な人はハズレです。近寄るのは避けましょう。

 

⑦狭い部屋に詰め込む学校

 私の入学したところはぎりぎり三人座れる椅子に三人座らせるところで、一人当たり60センチ前後の横幅しかありませんでした。ノートパソコンが横に二台並べられないというとわかりやすいでしょう。この倍の幅くらいないと作業に集中できないです。

 狭い部屋に25人詰め込むみたいな学校はやめましょう。一人あたりのスペース、机の数と募集人員をあらかじめ確認しましょう。

 

⑧やる気のない受講者が多い

 これも入るまでわかりませんが、モチベ下げるので、なるべくやる気ある受講生のところにしましょう。こういう訓練生がいるから授業の進度を遅くせざるをえなくなるのでしょう。

 

⑨半端に分野を広げ過ぎる

 前のJavaC言語を同時に半年で教えるところとか、あるいはワードプレスPHPPYTHON機械学習と確率・統計とadobeソフトと半端にやらせようとするところがありました。

 間違いなく、半端で終わります。特に機械学習系のところは25名の定員で、半年間講習終わって「もう二人も就職内定者が出ています」と意気軒高でしたが、二人?残る20人ほどはどうしてるの?と思いました。

 機械学習なんか、仮に訓練校で半年間それだけやってもその分野でプロとして働けるレベルにならないでしょう。レベル1の技術をたくさんもっている人より一つでいいからレベル5の技術を持つ人を現場は求めます。

 技術はターゲットを絞って身に着けるべきでしょう。その辺の失業者集めて機械学習を学ばせても、売れるエンジニアにはなれませんよ。

 

⑩授業が講師の一方的講義になっている

 これも前出の2校です。paizaラーニングで10分くらいで終わるようなことを3時間くらいかけるし、午前中3時間つかって人工知能の一般論なんかを講師がとくとくとしゃべり続ける。当たり前過ぎて聞いていて苦痛でした。ググれば3分で読めるでしょ。こんなので時間つぶしされてもね。半年あるからのらりくらりやりたいんでしょうけど。

 これでもかというくらい新しいこと詰め込んで、手を動かさせられるようなところがいいです。

 

⑪授業の進度が遅い(密度が薄い)

 補助金目当ての失業者が集まる教室だから、普通に進めるとついて来れない人が多いのでしょう。だから、普通に大学受験した方だとたいていの訓練校は授業が遅いと感じると思います。いわゆる偏差値30~40の人向けのイメージです。クラスの下層に合わせているぽいです。説明会の段階で、1日の勉強量・進度なんかも確認する方が良いでしょう。

 

 私が経験したのはこのくらいでしょうか。ほとんど、入学してはいけない学校の特徴を備えていると思います。では、逆に入学した方が良い学校はどういうところかまとめます。

①WEBサイト制作がメインになっている

(分野を絞っている)

②サーバーサイドはPHPを詳しく教える

(汎用性が高く求人数が最多)

③講師が若い(おじいさんではない)

④一人当たりの席の幅が広い

⑤パソコンの解像度がFullHD以上ある

(目が疲れないのは重要な要素です)

⑥訓練生が真剣

(ミーハーが集まらない・給付金目当てがいない)

⑦swift、python等、アプリ開発に焦点を絞っている

(目的が明確)

⑧講義より実習がメインになっている

⑨ある程度内容を詰め込んでくれる

 以上のようなことを確認すると良いかと思います。ただし、私の見解なので、入校するのは自己責任でお願いします。

 

2. なぜダメな訓練校ばかりか?

①国から学校に支払われる補助金

 正確ではないかもしれないですが、一人当たり1か月に5万円訓練校に国から下りるそうです。最終的に就職するとプラス1か月2万円おります。訓練生ががんばろうがどうしようが、人数さえ集めれば収益がでるようになっています。だから、部屋にギュウギュウに詰め込んで劣悪な環境で授業を続けるのです。学校側に頑張るモチベーションはほとんどないのです。

 この金額だと、ばりばりのエンジニアは雇えず、時給1100円とか多くて3000円とかで講師を募集するでしょう(わかりませんが)。したがって、本気の講師なんてめったに来ないんです。

 訓練生の上達具合や就職先によるインセンティブがない、そして、そもそも良い講師が来ないのが最も大きな原因です。

 

 

失業給付・職業訓練給付金目当ての訓練生

 訓練生は失業手当または給付金10万円がもらえます。授業の質が悪くても、表向きやめてはいけないことになっています。ただし、実際にはやめて再度別の訓練校に入り直すのも可能です。しかし、入校審査で100点満点中マイナス30点をつけられるそうです(1年以内の退校履歴で計算)。実質、定員割れしている訓練校でないと入校できなくなります。私も2校目は落ちました。

 

③訓練校の評価を外部に漏らしてはいけないことになっている

 一般のプログラミングスクールのように、口コミサイトで評価がされている訓練校をほとんど見ませんね。これは、入校するときに訓練校から外部に情報を出してはいけないと申し渡されるのです。だから、訓練生はどこが良いか入校するまでわからないのです。入ってからはやめられないから、学校がつぶれることはほとんどないのです。よほどの学校はハローワーク側の受講後のアンケートで判明しますが、就職率と満足度の数値以外の情報はないのです。

 

 就職してもしなくても月に2万円しか差がないこと、講師の質が良くないこと、授業の質が悪くても訓練生がやめないこと、ダメな情報が漏れないことで、ダメな訓練校が淘汰されません。

 

3. 職業訓練の種類とおススメの人

ハローワーク経由のトレーニングの中から、おススメのものを挙げます。

①求職者支援訓練

 これは失業手当をもらえない人が対象になっています。当たりの学校であれば月に10万円もらえるし、いいのではないでしょうか。ハズレを引いたらすぐにやめて他を受験しましょう。

 

②離職者等再就職訓練

 これは雇用保険を掛けている人がメインの訓練です。ただし、かけていなくても入校でき、月10万円もらえます。講師の質等はほとんど、前出の①と変わらないでしょう。

 ただし、AWSの講座など、求職者支援訓練では開講していないものもたまにあるので、このあたりにたまたま当たればコスパ良いものもあると思います。なお、求職者支援訓練より倍率が高く、私が挙げた良い学校に該当する訓練校だと10倍の倍率があるところもあります。

 

③専門人材育成訓練

 これは2年間の専門学校に入学するコースです。授業料無料で失業手当までまるまるもらえるという、税金無駄遣いコースです。東京都のHPから”3.今後の募集予定”をご参照ください。

 選抜なので、落ちると1年間受けられないし、45歳までで、たしか過去三年間以内で雇用保険に合計1年間以上加入していないとだめです。各自で検索お願いします。

https://www.hataraku.metro.tokyo.jp/kyushokusha-kunren/itaku/plan/index.html

 

④専門実践教育訓練

 これは、専門学校でも短大でも大学でも、大学院でも入学できるというものです。欠点は、上記③と同様、プログラミングの専門学校に二年間通うのは時間の無駄なんです。たいてい、他の受講生は偏差値30~40くらいで、Fランク大学にも入れなかった人たちで、その人たちに合わせて授業されるので、専門学校というのは本当にレベルが低いんです。

 おそらく、転職向けプログラミングスクールで3か月~6か月で学ぶものを2年間かける。教える方もだらだら教える。たとえば、ゲームの専門学校だと、じゃんけんしたりトランプゲームする授業があるとか(そこは中目黒で年間学費140万円で三年間学ぶ)。

 二年間かけてプログラミングの専門学校に通いたい方は、相当独学無理、パソコン初めて、くらいの方が良いのかなと思います。この訓練については後日また深堀りします。

 

4.まとめ

①お金に余裕があるなら、なるべく有料の学校に通おう。

ハローワーク経由なら、ダメな条件の学校に行かないようにしよう。

③仲間を集めて独学し、わからないとこだけメンターに頼る方法もある。

 mentaというサイトがありますので、そこで師匠を一人か二人選び、グループ作って契約して、みんなで講師を共有して疑似学校にするのもありですね。